医療業界や介護業界を中心によく論じられている2025年問題をご存知でしょうか。2025年というのは、第一次ベビーブームとなった1947~49年生まれの人々、すなわち団塊の世代と呼ばれる約800万もの人が、75歳以上の後期高齢者に達する年です。
このとき、日本の人口における高齢者は3500万人、高齢化率は30%となり、実に3人に1人が高齢者の社会になると考えられています。この年には、医療・介護業界の人材不足が一層厳しくなり、なおかつ社会保障関連費が増大すると予想されています。このような事態を2025年問題と呼ぶのです。
では、この2025年問題に向けて、国はどのような取り組みを行っているのでしょうか。現状でも人材不足が訴えられ続けている介護業界は、問題の2025年には約38万人もの介護職員が不足するとも言われています。
このことから、国は人材の確保に向けて補助金や事業支援金などの制度の改革に取り組んでいます。しかし、まだ明確な成果が出ていないというのが現状です。
他にも、介護のシステムを地域包括ケアシステムという形で構築していこうという取り組みもあります。これは、要介護の人の介護度が重度となった場合でも、住み慣れた地域でその人らしい暮らしを最期まで続けられるように、それぞれの地域で包括的な支援・サービスを提供する体制を整えていくものです。
このシステムは、保険者である各自治体が、地域の自主性・主体性に基いて、それぞれの特性に合わせて構築することが大切なのだと厚生労働省は主張しています。